御霊巡礼
人は身近な人が死ぬことで魂の存在を知るという。
2018年最初の仕事は昨年末若くして亡くなった彫刻家であり芸術家である小林陽介の魂とのセッションだった。
神事は秒刻みと自ら語る彼は、思い返すと生きている時から時空を超え、まさに神隠しのような行動全てが大いなるモノの意志を示す表現のようだった。
私が場を開くと彼は何処からともなく作品を持って現れ、時には踊り、唄い、様々な身体表現をして気付いたときにはもう消えていた。
そんな彼とは現場では会うがゆっくりと話をする機会は少なかった。
しかし、彼方此方ですれ違う瞬間に言葉を超えたコミニケーションを交わし、互いの使命を確かめ味わうよう共に場を生み出し、また自信を持ってそれぞれの道を進むことができた。
そして彼は今世最後の場所を紀ノ国の玉置神社の麓に選び、きっちりと魂を置いて旅立っていった。
最後は自らの最高傑作といっていいほど美しい肉体を残し、そして生き様という形にならぬモノを残していった。
えらい遠くにいってまったなと思っていたら、肉体は消えたが、御霊はヨウスケノカミになって現生では味わえなかった程に近くに存在していて、そうだそうだ、と自分の中で一体化しながら話しかけてくる。
彼が魂という存在になったことで生きていた時には出来なかった実態を超えたコミニケーションが可能になった。
気付くと導かれるように召集されお前の仕事はこれだよと
彼の残した作品、魂と向き合っていると言葉を超えたメッセージを投げかけてくる。
何をしたらいい?これだよ。
ここかな? いやあっち。
そう、ここに置いてくれ、
これどう思う? 最高!
そうゆうことか!!そうゆうことなんです。
しまいにはこっちもあっちもなく腑に落ちる出来事の連続
お蔭で安心して自分を明け渡すことが出来た。
よく考えると文字通り全身全霊で仕える事ができる仕事を全うしたのはこれが最初なのかもしれない。
本当の仕事とはこういうことなんだ。
この時集まった人々は皆、一人の男の魂に呼び寄せられ
コバヤシヨウスケという大いなるモノと一体化した意思に従い
お膳立てされた配役に徹しているようだった。
ひとりひとりが表現しながら各々の仕事を通し使命を全うし
全て然るべきことが起きているのだと確信を持たせてくれた。
最高に幸せな瞬間を共有していた。
小林陽介を偲ぶ会
https://www.youtube.com/watch?v=wSbttmrNO8k